男女7人組ダンス&ボーカルグループGENIC
華麗なルックスと存在感、歌って踊って、作詞・作曲、振付けも手掛け、さらにドラマやモデルなど多方面でも活躍、マルチな活動を展開している。そんな彼らの3rdアルバム『N_G』は、独自のポップさ、華やかさ、聴き手に響く時代の感情をつめこみつつ、ちょっとシニカルなタイトルで、逆説的に彼らの強い意志を示している作品だ。メンバーそれぞれが作詞・作曲・振り付けなどを手掛けた「7人7色」のセルフプロデュース楽曲を7曲収録。また、メンバーによる作詞・作曲に加えDa-iCE工藤大輝や2023年、アメリカ・グラミー賞の最優秀グローバル音楽アルバム賞を受賞した宅見将典、ヒットメーカーの久保田慎吾(Jazzin’park)ら作家陣楽曲も収録。GENICの特徴、強みをさらに押し出し注目を浴びている。このアルバム『N_G』の魅力をさらに掘り下げるべく、各メンバーが担当したプロデュース曲を中心に、それぞれの想い、現在の心境を語ってもらった。深堀り音楽トークとオモシロ脱線トークが入り混じる、1万4000字ロングインタビュー!
クールでセクシーなダンスナンバー『Hallelujah』
――GENICの3rdアルバム『N_G』は、独自のポップさ、華やかさ、聴き手に響く時代の感情をつめこみつつ、作品への想いをちょっとシニカルなタイトルで表現した作品です。そして、メンバーそれぞれが作詞・作曲・振り付けなどを手掛けた「7人7色」のセルフプロデュース楽曲、7曲も収録されていて。メンバーそれぞれの個性やアーティスト性、人間性がそれぞれの楽曲の魅力となっていますし、音楽シーンにおいてGENICのオリジナリティを鮮やかに描き出しています。このアルバム『N_G』がリリースされて、ファンのみなさんに届いた今、改めて、このアルバムの感触を教えてください。
増子敦貴(ましこ あつき)●今までになかった可能性の芽が出てきたように感じます。アイドル性やアーティスト性、パフォーマンスとふわふわとしたメンバー7人のギャップ、全部が良い化学反応を起こしている気がします。「みんな違って、みんな良い」とはGENICの為の言葉ですね。
――ホントに、みなさんそれぞれの個性が輝いて、GENICというグループの魅力になっていますよね。では、早速ですが、具体的にメンバーそれぞれのセルフプロデュース曲を掘り下げていきたいのですが、まずはクールでセクシーなダンスナンバー『Hallelujah』から。
雨宮翔(あめみや かける)●はい。『Hallelujah』は、僕がセルフプロデュースさせていただきました。歌詞はKOMUさんと共作させていただき、振付けも担当しました。楽曲のタイトル『Hallelujah』(ハレルヤ)は、「素晴らしい」という意味です。この時世、いろいろ窮屈といいますか、思うように事が進まない、できない、苦しいという世の中で、自分が思い描く自由を、どうやって見つけられるんだろう? 見つけたい…という思いをテーマにこの楽曲を書きました。素晴らしい世界を求めたい、こうあったらいいなという自分が思い描く未来ってどんな景色なんだろう? 見つけられるのかな? 見つけたい、そういう信念でプロデュースさせていただきました。聴いた人も勇気づけられるような、背中を押せるような、自分がやっていることは正しいことなんだよ、と言ってあげられるような楽曲です。最後の歌詞で〈DEEP FUTURE〉という「深い未来」という意味の言葉がありますが、それぞれの未来はわからないけど、思い描くのは自分なので、未来をしっかり導きだしていこうという曲です。
――サウンドは都会的、クール、セクシー、カッコよさがファーストインパクトだけど、そこに「人生によりそう」というメッセージが込められているのがカッコいいです。
西本茉生(にしもと まいき)●『Hallelujah』って「素晴らしい」っていう意味なんだよね。「ブラボー」じゃダメなの?
金谷鞠杏(かねや まりあ)●ブラボー!?(笑)
雨宮翔●「ブラボー~♪」(サビの「ハレル~ヤ」のメロに合わせて歌う)
――トークの脱線が早い(笑)。
西本茉生●『Hallelujah』(ハレルヤ)っていうワードが好きだったの?
雨宮翔●そうだね、デモの段階で『Hallelujah』(ハレルヤ)という言葉があったんですけど、それがすごく印象的で「あ、これにしよう」と直感的に思って、『Hallelujah』にしました。
――サビの『Hallelujah』(ハレルヤ)のメロも印象的です。
西本茉生●デモが「ブラボー」だっら「ブラボー」にした?
雨宮翔●いや、それはちょっと(笑)。
――インタビュー開始早々、すでに曲名が迷子になりかけてますよ(笑)。
西本茉生●すみません(笑)。
金谷鞠杏●今回のアルバムでセルフプロデュースさせていただく曲を選ぶときに、じつは私もこの曲をいくつかある候補に選んでいて、「私にゆずってくれない?」って言いました(笑)。それくらい好きな曲ですし、自分のセルフプロデュース曲として選べなくても、グループとしてこの曲に参加できたのでうれしいです。翔(かける)の世界観にもあっているし、他のメンバーが良いという曲をみんなで歌えて、結果的に素敵だったかな。
増子敦貴●ホント、翔らしい、疾走感のあるダンスミュージックだなと思います。翔が好きそ〜な曲だなぁって思っていたら、翔がこの曲をプロデュースしたので「ほらきたぁ!」ってなりました。
西澤呈(にしざわ じょう)●この『Hallelujah』は、翔くんが振付けを作っています。楽曲だけ聴いたときに、オシャレだし、少し背伸びしたというか、飾っていると感じる楽曲だったんですけど、翔くんのフリが入った瞬間に、構成も含めすごくGENICの曲になったなと感じて。「あ、これをGENICでやれるんだ」という実感がわいてきました。曲だけ聴くと海外アーティストさんの楽曲のような雰囲気だったので、GENICとして、どうパフォーマンスするんだろう? というのが最初は想像つかなかったんです。でもそれが翔くんが振付けしてくれたことによって、形が見えたというか、曲が視覚化されたので、さらに好きになりました。
――MV(ミュージックビデオ)の翔さんの頼もしい姿も見どころです。このダンスは難易度的には…。
西澤呈●難しいですよ! ムズすぎ(笑)
西本茉生●ホントに、クレーム入れたいですよ(笑)
雨宮翔●新しいGENICを見せたいというのがあったので、難易度もそうですし、いままで挑戦したことのないことをやりたかったので、メンバーのみんなには、ゴメンなさいって思いながら、作っちゃいました(笑)。
増子敦貴●僕は「クレームつけたい」なんてそんなこと思いませんよ!! とっても素敵な振り付けです。けど、ダンスは難しい(笑)。でも、自分にとっては有難い壁でした! あざーす!(笑)
宇井優良梨(うい ゆらり)●この曲のダンスは、7人が同じリズムをとってちゃんと揃わないと見せられない振り付けですし、絶妙な角度とかニュアンスが難しい振り付けが多いので、そこを研究するのが難しかったです。大変でした。
小池竜暉(こいけ りゅうき)●いい意味で挑戦的です。歌詞、曲調、振り付けも、どこにも分類できないような曲で、GENICに新たな軸ができたなと思います。みなさんの反応が楽しみです。ライブを通して育っていく曲だと思います。ツアーも初日に合わせて熟練度を上げていくんですけど、年齢を重ねて、魅力が増していくような曲なのかなと思いました。
増子敦貴●そうですね。僕もこの曲は、とくにライブで映える曲で、ライブでのダンスが注目ポイントだと思います。翔のコレオ(振付け)で、見ていてクセになる“NEW GENIC”の極上スパイス曲で、ライブの味付けとなるような、欠かせない1曲になったと思います。そしてライブで進化することのできる曲だなと感じます。
――翔さん、これまでのインタビューだと発言少な目な印象だから、今回はすごく頼もしいなと感じました。
西本茉生●翔は内に秘めるタイプんなんです(笑)
雨宮翔●はい。僕が思っていることを曲で伝えたいと思って、内に秘めていたもの、自分の人生観も、曲にいれたつもりです。
増子敦貴●この曲を聴いてくださる皆さんにおススメしたいんですけど、朝出かける時、この曲で一度テンションを上げてみてはいかがでしょうか?
大切な人へ思いを込めた『きみといた』
――GENICの3rdアルバム『N_G』は、メンバーそれぞれの個性やアーティスト性、人間性がそれぞれの楽曲の魅力となって、オリジナリティを鮮やかに描き出している作品です。メンバーセルフプロデュース曲について伺っていますが、続いて、宇井優良梨さんが作詞を担当した楽曲『きみといた』です。
宇井優良梨●『きみといた』は大切な人へ思いを込めた曲です。人生には「出会い」と「別れ」があって、「別れ」は悲しい出来事だけど、相手を思って嘘をついて別れるということもあると思うんです。やさしい嘘があってのあたたかみのある別れ、というか…。ただただ悲しいだけの出来事じゃないということ。そして、自分が思っていることを伝えらなくなってしまってからでは遅いから、後悔しないように、伝えられるときに伝える…そういう思いを曲に込めました。やさしさで始まってやさしさで終わるような曲です。私は日本語が好きで、日本語の温かみや日本語のキレイさを感じていただきたくて、この曲の歌詞を書きました。
――やわらかいバンドサウンド、ゆっくり歩くようなテンポ、切なく美しいメロディ、大切な思い出をもって、明日に向かう姿が浮かぶ、素敵な楽曲です。MV(ミュージックビデオ)にも出演している茉生さんはこの曲についていかがですか?
この記事の続き1万4000字ロングインタビュー)は『OUT of MUSIC 85』に掲載です。ご購入ご希望の方は、または下記画像リンクからお求めください。(また全国書店、CDショップ、ネットショップでのお取り寄せも可能です)