【先行掲載・WEBオリジナル記事】2025年1月31日の解散ライブをもって、その活動にピリオドを打つBMK。その集大成となるベスト・アルバム 『Big Monster Kite』について「感謝」と「希望」と「笑顔」にあふれたラスト・インタビュー!

インタビュー=吉田直樹(OUT of MUSIC) 写真=Cosufi(コスフィー)

――2025年1月31日、ライブBMK THE FINAL〜モンスターフライト〜」@Zepp Nagoyaをもって解散することが決まったBMK。その集大成となるベスト・アルバム『Big Monster Kite』が12月18日にリリース。そのリードトラックでありラストシングルでもある「BIG MONSTER KITE(10 月2 日先行配信)」は「BMK という存在が、この先も、いつまでも、誰かの空を勇気づける存在でありたい」と願うレターソング。BMK 代名詞ともいえる熱いロックチューンにのせて、今までのBMK の歴史が詰まったセルフタイトル曲らしい爽やかな楽曲です。

全員●はい!(元気よく)

――BMKのみなさんとは、デビューの時から取材させていただいたので、この「BIG MONSTER KITE」を聴くと、取材時の思い出とあわせて、いろんなことがあったなぁと感じましたし、ファンのみなさんも、それぞれの思い出を感じることができる曲だと感じました。

米谷恭輔●いままでの自分たちの歴史がギュギュっと詰まった楽曲です。作詞してくださったYUMIKO先生が、これまでの僕たちの歴史や楽曲のカケラというか、要素を入れてくださいました。僕たちのことを応援してくださったみなさんにとって、すごく響く楽曲になっていると思います。ライブでも歌いますが、自分たちへの応援歌でもあるような、そんな不思議な力を持った楽曲だと思います。

三隅一輝●ラストにふさわしい、BMKらしい曲です。メジャーデビュー曲の「モンスターフライト」で「ここから上昇気流に乗って行くぜ!」とスタートした僕たちですが、ラストの曲は「やり切ったね」という気持ちで終わってもいいと思うんですけど、この「BIG MONSTER KITE」は「まだまだ上を目指していこうぜ」と歌う、ぼくたちらしい楽曲だと思います。米ちゃん(米谷)がさっき応援歌と言いましたけど、歌っていて自分の背中を押してくれる、BMKでいただいた気持ちとか経験を活かして、今後の人生も頑張ろうと思えるような、本当に素敵な曲をいただきましたし、感謝の気持ちでいっぱいです。

佐藤匠●今回ラスト・シングルを制作するにあたって、選曲も含めて自分たちで決めました。楽曲に対して、いろんな意見を言わせていただいたんですけど、最後の曲を決めるということは、ファンの人から見ても「ぼくたちはこういうグループだったんですよ」という定義を出すことだから、それがけっこう悩みました。オモシロかったり真面目だったりいろんなキャラクターがあるなかで、デビュー曲の「モンスターフライト」と一緒でロックな部分を出そうということで、この楽曲「BIG MONSTER KITE」になりました。ベスト・アルバムに先立ってリリースしてますけど、その反応が怖くて、不安でした…でも、最終的には、最後にふさわしいBMKの楽曲として、これが正解だったなって思いました。

松岡拳紀介●(上の空の表情で)…いや、でもホント、みんなの言ったとおりなんですけど…。

米谷恭輔・三隅一輝●いま、ぜんぜん聞いてなかったでしょ!

――「みんなの言ったとおり」って、人の話に乗っかるクセは、デビュー当時から変わってない。。

全員●あはははは(笑)。

松岡拳紀介●いやいやいや(苦笑)、でも(気を取り直して)デビューからラップをやらせてもらってますけど、2番のAメロでラップするのって新鮮だなと思って…(その場の全員が無反応なので)あれっ? そんなことない?(不安)

三隅一輝●最近では珍しいかも。

松岡拳紀介●自分の場合、間奏とかサビの途中でラップを担当する、というパターンが多かったんですけど、今回の「BIG MONSTER KITE」で、きちんと2番のAメロというパートをもらって、改めてラップ担当だなって感じました。応援してくださるみんなに向けて歌いたいと思ったし、俺らにもだし、みんなにも、それぞれ刺さる部分があるんじゃないかなって思いました。俺たちのことを知らない人が、この曲を初めて聴いても、すごく伝わる部分もあるし、たくさんの方に聴いていただけたらと思います。

――この「BIG MONSTER KITE」は、ドラマチックなロックサウンドに乗せて、BMKの歴史と気持ちが響く曲で、ホントBMKらしいなぁと思う歌詞がたくさん詰め込まれていると感じます。例えば〈不条理の中で腐らぬように もがき続けるキミは大丈夫さ〉という歌詞を聴いて、メンバーの顔を思い浮かべる人もいるだろうし、聴いた人それぞれの現実を思い出す人もいるだろうし、すごく広がりがあるし、深く思う歌詞だなと思いました。

松岡拳紀介●僕らずーーっと不条理の中ですよー(笑)

全員●あはははは(笑)。

――けんぱ(松岡)くんが言うと、説得力がなくなっちゃうんだけど(笑)

三隅一輝●歌詞で言うと、自分は〈無防備のままで挑むような〉という歌詞が、特にグッときました。

――〈どん底からでも這い上がって 映した無数の煌めきと 無防備のままで挑むような 愛すべき 天賦の才〉という一節にある歌詞ですよね。大きな空に広がるような気持ちいいサウンドにのせて歌われるこのサビ、BMKのキャラクターと状況が浮かぶ、ホント素敵な歌詞です。

三隅一輝●〈無防備のままで挑むような〉というこの歌詞が、デビュー当時の自分と重なっていると思います。取材経験もない、番組で歌唱したこともない、普通の男の子たちが急にメジャーデビューとなって、いろんなメディアに露出し始めた。現場でどうしていいかまったくわからないまま、手探りでなんとか走ってきた。そういう当時の自分たちを思い出します。コロナ過も重なって、どうやって活動してよいか、わからない状態で、揉まれていた四年前の当時の姿が重なって、めちゃくちゃグッとくる。

――「無防備」という言葉もすごくBMKに重なりますし、ごく普通の人たちが共感できる存在だよねって、それを象徴している気もします。

三隅一輝●裸一貫、いろんな方々に揉んでもらったなぁって。

米谷恭輔●思い返してみると、遠回りもありましたけど、確実に一歩一歩進んできた証だと思いますし、ちゃんと見てくださっている方は見てくださっているんだなって、この「BIG MONSTER KITE」で感じました。ファンの方はもちろん、関係者の方、先輩、そういうことに改めて気づくきっかけになりました。恵まれていることを実感した曲でもあります。

佐藤匠●順風満帆なグループだったら、きっとこういう歌詞にはならなかったと思うんです。〈不条理の中で腐らぬように〉なんて言葉が歌詞にならないと思うし、不条理をどうにかできるというより、そういう不条理も自分の道を進むうえで意味があると記してあることに、救われる思いです。「不条理をぶち壊す」ではなく「不条理に腐らない」というのが、自分たちらしいし、自分たちもそうでありたい。そのときは苦しかったけど、いま考えると腐らないように頑張ってたんだなっていう実感が、あの歌詞で沸きました。

――けんぱくん(松岡拳紀介)は、腐ったこと無かったよね(油断して「無防備」状態のところに無茶ぶり)

松岡拳紀介●そ、そうですね…(どうボケるか考えながら)…僕は腐った食べ物は食べないですね…(「腐る」をキーワードにどうにかボケようとしたが、ごれが限界だった)。

全員●…(沈黙)。

松岡拳紀介●(沈黙に耐えきれず)僕も、腐り続けてました!(元気よく、真逆の回答)

――(爆笑)いやいや「(不条理にも負けないで)腐らなかったです!」でよかったのに(笑)。

佐藤匠●トークの方向音痴ですね(笑)。

――真逆!

全員●あはははは(笑)。

松岡拳紀介●でもホント、今回の歌詞はいいっすよねぇ~(無理やりトークの軌道修正)。

――うん、最初からみんなそう言ってたけど(笑)。

松岡拳紀介●そうなんですよ! 例えば、僕たちのこれまで歌ってきた楽曲たちが歌詞に散りばめられているんですよ!

米谷恭輔●そうそう、それそれ(やっと言ってくれたという表情で)。

松岡拳紀介●ただ、ここで詳しく言うと、みんなが考えなくなっちゃうから、これ以上は言いませんけど。

米谷恭輔●言わないんかい!

松岡拳紀介●でも、ホントに、僕らが歩んできた歴史が、歌詞のいろんなところに散りばめられていて、応援してくださった方はそれに気づいてくださると思うんです。それが僕らとファンのみなさんとの“暗唱番号”? “パスワード”? にもなっている…? 

佐藤匠●それを言うなら“合言葉”でしょ。この楽曲にセキュリティはしてないから。鍵かかってないから(笑)。

松岡拳紀介●そうそう(慌てて)だから、その合言葉を感じてもらえれば、僕たちのやってきたことは意味がなかったなって…。

三隅一輝●“意味がなかった”?

松岡拳紀介●あー、ちがう違う(さらに慌てて)、意味があったなって。

――また、真逆!

全員●あはははは(笑)。

三隅一輝●ずーっとこんな感じです、けんぱのBMKでの歴史は(笑)。

米谷恭輔●だからそういう意味でも、けんぱのラップパートも聴きどころだよね。

松岡拳紀介●唯一無二の“カミ”ボイス、“カミ”ラップです。

――“噛み”ボイス?(笑)

松岡拳紀介●いやいやいや、そうじゃなくて“神”ボイスです!

――すぐセリフを噛んじゃうの“噛む”ではなくて?

松岡拳紀介●“神”ボイスです、ゴッドですゴッド! 何ですか唯一無二の“噛み”ボイスって、なんもいいことない!

全員●あははは(笑)。

――ちなみにMV(ミュージックビデオ)は、晴れ渡った青空、透き通った青い海、心地よい風、明日を感じる光と、さわやかで気持ちいいロケーションが舞台となってます。なんか、BMKの歴史は逆風の連続みたいな話もあったけど、こんな素晴らしいロケでMV(ミュージックビデオ)を撮影させてもらっているわけだから、恵まれてますよ(笑)。

三隅一輝●ホントですよ!

佐藤匠●ホントにその通り! 沖縄ロケさせていただいんですから(笑)。

松岡拳紀介●最後くらいは贅沢してもいいんじゃない? っていうメッセージ(笑)

佐藤匠●いやいや、そういうことではないから。

松岡拳紀介●最後くらいは贅沢させてもらえますかね? っていう、お願い?

佐藤匠●違うから(笑)。

このインタビューの全編は、次号OUT of MUSIC87(2025年1月下旬発刊予定)に、もしくは、この「OUT of MUSIC WEB」にて公開予定です。

BMK(Big Monster Kite)

元気と勇気を発信し続ける名古屋発4人組エンタメ集団。。メンバーは、米谷恭輔、三隅一輝、松岡拳紀介、佐藤匠。コンセプトは“凧のように逆風を受けるほど上昇する、逆境に負けないグループ”。2025年1月31日の「解散ライブ(Zepp Nagoya)」をもって、その活動に終止符を打つ。その集大成となるベスト・アルバム 『Big Monster Kite』を12月18日にリリース。

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