爽やかなヴィジュアル、誰もが惹きつけられるポップ&クリエイティヴな楽曲、スタイリッシュなダンス、独創的なライブスタイル、唯一無二のダンス&ボーカルグループの3rdアルバム『FANTASTIC ROCKET』。リード曲『STARBOYS』は、超高速で宇宙を駆け巡る姿を想起させるドラムンベースサウンドに、先へと突き進む覚悟を乗せたリリックが刺さるアップチューン。その他、実験的かつ攻撃的なトラップサウンドと、ダークな世界観でFANTASTICSのライブに風穴を開ける『DARK MATTER』や、先行配信された『Itʼs all good』など、全12曲が収録。新録曲の制作エピソード、野外フェスの話など、さまざまな切り口から『FANTASTIC ROCKET』と5周年のFANTASTICSを紐解いていく。
FANTASTIC ROCKET
――アルバム『FANTASTIC ROCKET』ですが、2022年春に始動した“FAN FAN PROJECT”( FANTASTICSとFANの皆さんと一緒に大きな夢へ向かって旅するプロジェクト)からの流れを考えると、HOP STEP JUMPで、ついに宇宙まで来たか!みたいな達成感のようなものを感じますね。
木村慧人●そうですね。自転車(『Summer Bike』)から始まり、電車(『Choo Choo TRAIN』)、飛行機(『PANORAMA JET』)と着実にステップアップしてきた中で、ついにロケットに乗り込みました(笑)。しかも、アルバム発売日の12月5日は……何の日ですか?(隣に座るサワナツにアイコンタクト)
澤本夏輝●デビュー5周年の記念日!
木村慧人●そうなんですよ~(笑顔)。そんな記念すべき日にリリースされると思うと、感慨深いものがあります。
澤本夏輝●音源としては、昨年リリースした『サンタモニカ・ロリポップ』以降の楽曲が収録されているんですけど、5周年ってことは、それだけたくさんの楽曲をFANTASTICSとして発表してきたということで、その重みを『FANTASTIC ROCKET』を手に取った時に実感しましたね。でも、言ってしまえば“たかが5年”。この先、10年、15年……と続いていくであろう未来を思えば、“ただの通過点”なので。“FAN FAN PROJECT”はここで終わりますけど、ここからまた新たなステージに飛び出していくぞ!という決意を込めて『FANTASTIC ROCKET』を制作しました。
――約1年半で自転車からロケットへと急進化して、宇宙に飛び出したわけですが、このペースで行ったら、10周年のFANTASTICSはどこまで行っちゃうんでしょうね? 世界さん?
世界●10周年ですか? なんかもう、星とか作ってるんじゃないですか?
瀬口黎弥●僕らが招待する側になるってことですか?
世界●そうそう。僕らが行くんじゃなくて、“FANTASTIC PLANET(惑星)”とか“FANTASTIC UNIVERSE(宇宙)”を作ってると思う。FANTASTICSとCOSMICを掛け合わせて“FANTASMICS”みたいな。今回のリード曲が『STARBOYS』なので、そういう展開も有り得るんじゃないかな、なんて思いました。……で、どうでしょうか?
――100点満点の回答、ありがとうございます。すみません、無茶振りして(笑)。
世界●(食い気味に)全然大丈夫ですよ! 無茶振り大歓迎です!
堀夏喜●僕らは大喜利とかで鍛えられてますからね(笑)。
――頼もしい。
STARBOYS
――では早速、今おっしゃったリード曲『STARBOYS』のお話に移りまして。勇征さん、『STARBOYS』(Words:ZERO(YVES&ADAMS)/Music:ZERO(YVES&ADAMS), SLAY/Track Produced by SLAY)を聴いた時の印象を教えてください。
八木勇征●『STARBOYS』のデモを聴いた時は、壮大でスペイシーな楽曲だなって思いましたね。イントロから宇宙が広がっている情景が浮かびましたし、Aメロに入ると、意外と落ち着いた感じで始まるんですけど、<眠い目擦りながら>と歌っている後ろにもシューッという音が入っていて、星空の下で歌っているようなイメージが湧きました。でも、サビはキャッチーで、聴いている方も割と口ずさみやすいメロディーラインだなって思いましたね。そういう僕がデモを聴いて感じたインスピレーションを大切にしながら、レコーディングにも臨みました。
――『STARBOYS』を手掛けたZEROさんは、みなさんのデビュー曲『OVER DRIVE』(作詞:YVES & ADAMS/作曲:Henrik Nordenback, MoonChild, NAOKI, BIG-F)にも携わっていますが、これまでのFANTASTICSをよく知る方と一緒に制作する意味については、どう感じましたか?
八木勇征●『STARBOYS』を作ってくださったZEROさんやSLAYさんには、僕らは他の楽曲でも度々お世話になっています。レコーディングにもよく立ち会ってくださるので、僕達にとって一番良いレンジ(音域)をよく理解してくださっている方々なんです。そんなおふたりが、僕達が一番気持ちよく歌えて、一番良く聞こえる音に合わせて曲を作ってくださったという話を聞いて、すごく愛を感じましたね。と同時に、自分では気づいていなかったけど、このレンジが一番聴き心地がいいんだ?という発見もありました。
中島颯太●全体的にファンタのことをすごく考えて作ってくださっているんですが、パッと歌詞を見た時に<HOP STEPからJUMP 全て助走>のところは、ZEROさん、すごいなぁ……って実感しましたね。もちろん、自分達でも思っていましたけど、歌詞になったことで、まだまだここから先に進んでいくぞ!と改めて決意するキッカケになりました。自分の歌うパートでもあったので、そこは特に気持ちを込めて歌っています。
――“FAN FAN三部作”の第3弾楽曲『PANORAMA JET』(作詞:ZERO(YVES&ADAMS)/作曲:Seiji Kameda, MATZ, JAY’ED)にも<滑走路を翔け Hop Step Jump>という歌詞がありますけど、同じ“HOP STEP JUMP”でも、飛ぶ前と飛んだ後では歌う心境も意味も違うんでしょうね。
中島颯太●はい、全然違いますね。しかも今回はラップで、想いをしっかり言葉として伝えられるパートだったので。<HOP STEP>で一旦区切って、<からJUMP>のところを力強くして……というふうに勢いをつけました。
――勇征さんがレコーディングで特にこだわったフレーズはどこですか?
八木勇征●1Aの<歩き方もわからないまま>から<愚かで勇敢な僕らだけが辿り着いた今日>まで。この一連のフレーズは、<歩き方>の“カタ”とか<わからない>の“カラ”とか、ちょっと子音を強めにして歌ったんですよ。1つの言葉として、ちゃんと意味を乗せて届けるために。でも、そこからファルセットになっていくと、1音1音が途切れ途切れというか、ぶつ切りに聞こえがちなので、そうならないように滑らかに歌うのが難しかったです。1Aの歌い出しは颯太なんですけど、そこからパスをもらって繋げていくというイメージで歌いました。
――パフォーマーから見て「ここが聴き心地がいい」というフレーズは?
澤本夏輝●(歌詞をじっくり読み返しながら)サビ頭の<So Letʼs go fly high>じゃない?
中島颯太●(食い気味に)ありがとうございます!(笑)この曲のサビ頭は、レンジ的に高いわけではなくて、むしろ低いところで力強さを出さないといけなかったので、その出し方は結構練習しましたね。表情を大事にして歌うフレーズだなと思ったので、明るく、でも力強く……というバランスにこだわりました。
――<high>の部分も一見キャッチーだけど、歌うのは難しそう。どういうふうに発声してるんですか?
中島颯太●ここは「身体じゃなくて、喉の奥で揺らしながら歌うんだよ」とZEROさんからディレクションしていただいて、そういう感覚で歌っています。
澤本夏輝●その颯太の歌声と振りがハマる感じが心地いいんですよね。ここはパフォーマーとしても、特に気合いの入る部分だなって思います。
――『STARBOYS』の振付は、世界さんとToyotakaさん(CONDENSE)による共作だそうですね。なぜこのタイミングで、Toyotakaさんと制作することになったんでしょうか?
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