日本発のダンス&ボーカルを発信 4人組ガールズグループ @onefiveのメジャー1stアルバム『Classy Crush』は気鋭のクリエイター、プロデューサーやコリオグラファーを迎えて制作された、新世代ガールズパワーにあふれた作品だ。「Japanese Classy Crush」を掲げ、を突き破り、新しい価値を築き打ち立てていくという意志とエネルギーが満ち溢れたサウンドが、すべての聴き手を目覚めさせる。1万字ロングインタビュー
1stアルバム『Classy Crush』
──女の子から、女性へ。寄り添うから、引っ張るへ。1stアルバム『Classy Crush』を聴いたときに感じたのが、自立した女性として成長してゆく様を示した作品という印象でした。
MOMO●メジャーデビュー曲になった『未来図』は、未来に向かううえでの希望を描いた、私たちにとっての新たな始まりの歌でした。それから約1年半が経った今、最新曲の『OZGi』では「私たちについてきて」と歌いかけています。ファンの方々に応援していただきたいと思っていた私たちですが、今は、ファンのみんなを4人で引っ張っていきたい気持ちになってきたのも、この1年半を通して得た成長だと思います。
――『未来図』は疾走感と力強さ4人がまっすぐ輝く未来に向けて駆け抜ける決意を歌っているテンションアップソング。アルバムリード曲『OZGi』は、オリエンタルなサウンドと、四つ打ちビート、セクシーなラップのコントラストが不思議かつクセになる曲で、新しいガールズパワーを歌う内容は@onefiveの強い思いを全面に押し出した作品です。
MOMO●「お辞儀」という日本の文化、美しさと、「可愛いだけが魅力じゃない」という意志も表明した楽曲です。
──『未来図』以降、リリース順に楽曲を聴いていくと、どんどん自立した強い女性になっていく様が見えてきます。それは、楽曲に導かれてそうなったのか。それとも、4人の心の成長に合わせて楽曲も大人になってきたのか、そこが気になりました。
MOMO●私たちの気持ちに楽曲が寄り添ってくれている形です。以前からそうですが、私たちが常日頃思っていることや成長してゆく姿を、みなさんが楽曲にしてくださっています。
――アルバムに参加されているトラックメイカー、プロデューサー、コレオグラファーの方々も、気鋭のクリエイターの方々ばかりで、豪華です。
MOMO●こうした気鋭のクリエイターの方々が私たちを理解してくださって、楽曲制作にかかわってくださっているし、私たちも刺激を受けて成長していると感じています。アルバムから私たちの成長が見えるのも、この1年半の活動や成長(してゆくまでの様)を集大成しているから、それが伝わったのならすごく嬉しいです。
──アルバムを聴いてとても「強い意志」を感じました。みなさんの歌はもちろん、楽曲のサウンドそのものの強さやクオリティ、参加されているトップクリエイター陣、ダンス、そして時代やトレンドに対する繊細で鋭い感受性、オリジナル感と、とにかく「なんかすごい」という印象です。本気度が違うというか。
MOMO●ありがとうございます。
――こうした強い気持ちを持つようになったのはいつ頃からですか?
MOMO●まだまだ最近のことだよね。
GUMI●昨年頃から、個々にそういう気持ちを持つようになってはいたけど。みんなの思いを確かめあって、気持ちを一つにしたのは、このアルバムの制作に入ろうとしていたタイミングでした。
KANO●つい最近、4人だけで山奥に籠もって合宿をしてきました。そのときに、「これからこうしていきたい」と、いろんなことを4人だけで話しあって、そこで、お互いが持っていた気持ちを確認しあえたのが大きかったです。その話し合いをしたことで、今は4人とも、めっちゃ意志強(ツヨ)女になりました!
──(笑)。みなさん、付き合いは長いですよね。
MOMO●一緒に活動を始めたのは12歳からですけど、それ以前からだから、もう10年以上の付き合いです。
GUMI●お互いのこともわかりすぎるくらいわかっているし、今や、家族以上の付き合いです。
SOYO●最近、4人で真剣に話し合うことが増えていて。それぞれ「今、何を思っているのか」を話しあって、「こういう思いを持って活動をしているんだ」「わたしはこういう思いを持って寄り添っていこう」と、4人で気持ちを共有するだけではなく、互いに高めあっていけるようになりました。これも、私たちの気持ちを強くした要因だよね。
GUMI●私たち、今年で全員が二十歳を迎えるんですけど。20代になることで、いい意味での焦りがあるというか、このまま変わることなく続けていくことも出来るけど、@onefiveとして初めてメジャーからアルバムが出るタイミングでさらに強くなった@onefiveをみんなに見せたいと思ったんですね。だから、4人だけで合宿をしたんです。そのときに、改めて「今、どういう思いで活動し、どういう風になっていきたいのか」を話しあう機会を作ったことが、私たちの結束や気持ちを強くした要因だったなと思います。
MOMO●@onefiveとして5年くらいやってきているけど。メジャーでの1stアルバムを新たな始まりにというか、一つレベルアップした私たちをみんなに見せたいと思ったことも大きかったんです。
──二十歳という一つの区切りを迎えることも大きかった?
MOMO●大きかったです。以前から、個々に焦りや不安は覚えていたけど。それを、今まではあまり共有してきませんでした。でも、グループは4人でやっていることだし、スタッフさんやファンのみんなとも気持ちを共有してこその@onefiveじゃないですか。今までは「若いから」と言い訳もできたけど、二十歳を迎えたら大人だし、みんな二十歳を前に妙な焦りを覚えたこともあって、@onefiveに対してはもちろん、4人それぞれの気持ちにも真剣に向き合おうとなったんだと思います。
KANO●ホント、そうだよね。前までは、「これってメンバーに言っていいことなのかな?」と悪い意味でみんなに気を遣ってて、一人で抱えていた面が4人ともあったけど。合宿中に4人で話しあったときに、「あっ、みんなも同じことを思っていたんだ」と気づけた安心感がありました。もちろん、それまでにも4人の深い絆は感じていたけど、お互いに抱えていた気持ちを共有したことで、改めてみんなの心が一つになったし、@onefiveが最強に近づいていってるなとすごく感じました。
──付き合いが長いと、逆に気づかって言えない思いも出てきたり。
KANO●そうなんです。自分の不安や焦りを口にすることで、みんなのモチベーションを下げることになるんじゃないかと思ったり。でも、実際に話をしたら、みんなも同じ気持ちだし、みんなで思いを共有できたからこそ、今、チームとして最強になれているし、いいタイミングで気持ちを変えていけたなと感じています。
SOYO●お互い、小っちゃい頃からずっと一緒で、みんなで楽しく過ごすのが当たり前と思っていたから、自分がいろいろ抱え込んでいたことを、あえて言わずにいたんだけど。こうやって話してみたら、みんなちゃんと自分の考えを持っていて、見たい景色が一緒だったから、より一層同じ方向を4人で向けたし、ファンの人たちにも同じ方向を見てほしいなという気持ちにもなりました。
──お互いの気持ちを知れたことで、楽になった面もあるのでしょうか?
SOYO ●この4人で絶対にここにいくぞという気持ちが固まりました。絶対に成功させるという意志がより強くなりました。
GUMI●そこは、本当に長年の仲だなと思っていて。抱えていた不安もみんな同じだし、なりたいビジョンも同じ。この4人が一緒のチームで本当に良かったなと、改めて思うきっかけになりました。
昔の自分を“クラッシュ”
──メジャーデビュー曲の『未来図』と1stアルバムに収録した最新曲の『OZGi』を聴き比べるだけでも、登場する女性の見ている未来は同じでも、気持ちが強くなったと感じます。
GUMI ●『未来図』の頃は、4人で一つの個性として歌っていたけど。『OZGi』では、一人一人のソロも長くて、それぞれの歌い方や歌声もぜんぜん違うし、それぞれの成長が現れています。『OZGi』ではとくに、一人一人の歌声の個性をよく知れると思います。
MOMO●歌い方もそうだし、ダンス面でも、そう。年齢を重ねるのに合わせて大人っぽくなったし、いろんな経験を通して、本当にスキルアップしてこれているなと、自分たちでも感じています。じつは『OZGi』って、半年以上前にはあった曲なんですよ。だけど当時は「今のタイミングじゃない」と判断して、「時期が来たら」と大事に取っておいた楽曲なんです。それを、ようやくリアルに見せられるようになったからこそ、こうやって形にしました。
GUMI●1年前の私たちだったら、まだ、今のように等身大では歌えなかったと思う。
──ラブソングの面を見ても、当初は相手に染まろうという意識を持った女の子が主人公だったのに、最近では、みずからの意志を表した自立した強い女性が主人公になっていますよね。
(インタビュー=長澤智典 写真=Cosufi(コスフィー) アシスタント=大鐘優希)
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