【特集ハイライト】DOBERMAN INFINITY 1万7,000字 10周年記Digital Single「踊れピエロ」超深掘りロングインタビュー OUTofMUSIC 86掲載

――2024年6月24日に結成10周年を迎えたDOBERMAN INFINITY。その 10周年YEAR三部作として『踊れピエロ』『ラストフォーエバー』『1st SONG』を三カ月連続配信、そして、6月26日には、10周年記念シングル『1st SONG』もリリースされました。10周年YEARを迎えたみなさんの気持ち、決意も込められた作品たちです。

P-CHO●そうですね、これまでの感謝と、ここから新たなスタートという意味も込めてこの三部作となりました。

――この三部作と10周年記念シングルのプロデュースは、みなさんの盟友ともいえるBACHLOGICさんが担当されています。DOBERMAN INFINITYの前身グループ「DOBERMAN INC」時代、共に活動し、以降それぞれの道を歩み出した訳ですが、昨年リリースされ『原点回帰』を掲げたEP『milestone』でふたたびプロデューサーに迎え、さらに今回もBACHLOGICさんと共に制作されています。そして「新たなスタート」という意味では、第一弾としてリリースされた『踊れピエロ』は、DOBERMAN INFINITYとして、これまでにない新たな音楽性を示し、新しい魅力に満ちた意欲作だと感じました。

P-CHO●ありがとうございます。

――そこで、今回のインビューでは改めて『踊れピエロ』という楽曲を軸に、この楽曲の魅力について深く探っていくとともに、DOBERMAN INFINITYの音楽とは何なのか、そのイメージを読者のみなさんと共有できたらと思います。

全員●よろしくお願いします!

――まず楽曲について大まかに把握したいのですが、『踊れピエロ』は「変えられない現実のなかで、その現実をどう楽しむか」というテーマで制作された楽曲です。少し緊張感と不安感を帯びた心拍のような早めのテンポ感、シンブルだけどメロディアスで物語性も感じるベースラインの上で、みなさんのボーカル、ラップが展開していきます。「ここから抜け出したい」けど「どうしようもない」ならば「楽しめばいい」、そういうメッセージが、8ビートのスピード感、ドラマ感とともに迫ってくる、そんな曲です。『踊れピエロ』というタイトルだけで、すごくワクワクしましたし、曲を聴いて、その後自分に残った感情や印象と、この『踊れピエロ』というタイトルから受ける印象がすごく重なって「あー、カッコイイ! すごくイイ!」と思いました。まず、この曲の制作のスタートはどんな感じだったんですか?

SWAY●時期としては、前作のシングル『アンセム / マンマミーア!』(2023年10月リリース)を作っているときには、すでに10周年の三部作連続リリースということは決まってました。BLさん(BACHLOGIC)にお願いしようか、というのも、うっすら出てましたね。

KUBO-C●うんうん。

SWAY●ただ、実際に制作に取り掛かったのは、最近ですよね?

GS●3月くらい?

KUBO-C●うん、今年入って、3月になってくらいからちゃう?

――10周年の三部作連続リリースが決まって、その後具体的にはどういう形で進めていってんですか? 例えばトラック決めとか?

P-CHO●いつも自分がBACHLOGICとやりとりさせてもらっていて、あらかじめ10周年イヤー記念のリリース作品として、「3カ月連続リリースする三部作を全部お願いしていいですか?」って連絡したら「了解!やろうや!」っと言ってくださいました。そしてすぐ、BACHLOGICの膨大なトラックが送られてきて、そこから絞り込んで選んでいきました。

――どれくらいあったんですか?

P-CHO●いや、もう、エグいです(笑)。わからないくらい大量でした(笑)。

――3桁以上?(数にこだわって突っ込む)

P-CHO●はい、それに近い数はありました(笑)。ストックから選んだものとオーダーしたものがあって、それを一式全部聴いて、今回、メンバー5人が言っているものと合いそうなものを選んでいきましたね。

――『踊れピエロ』のトラックはどれくらいの候補曲から決めたんですか?

P-CHO●このトラックがだけが残って、第一作目になりました。

――残ったポイントは?

SWAY●めちゃくちゃカッコ良かったですよね。あと、これまでの自分たちにはないサウンド感だったので。

P-CHO●三カ月連続リリースの一発目は、ミドルやバラードではなく「アゲがいいよね」という話になって、スピード感、テンポ感のあるトラックになりました。

――そうするとサウンドのイメージから、リリックやタイトルを作っていったということですか?

全員●はい。

――先ほど説明しましたが、改めて言うと、この『踊れピエロ』のトラックは、8ビート、心拍数高めのテンポ、メロディアスなベースラインが印象的なトラックで、「起承転結」というか「転結」のドラマが繰り返される印象で、ループされていくなかで、頭に戻るたびに景色が変わるというかリセットされるというか、短いフレーズ内での起伏で、すごく情景を描いているし感情を帯びている、そういうトラックですよね。BACHLOGICさんのセンスをすごく感じる。

SWAY●そう、そしてシンプルですよね。DOBERMAN INFINITY活動10周年を迎えて感じたのは、前までの自分たちの音楽はめちゃめちゃ足し算だったんです。でも、今は引き算作業でした。

全員●うんうん。

SWAY●自分たちの生き方も、何が自分たちの活動に必要なのかを、前は若かったので、あれもこれもという足し算だったんですけど、BL(BACHLOGIC)さんのサウンドも、基本、引き算ですよね。引き算美学。抜き差しで、世界観を作るのがめちゃカッコいいなと思います。

――ホント、その引き算の美学がいまのみなさんにすごく似合ってて、カッコいいと感じます。

GS●BACHLOGICのサウンドは、歌詞が立つ曲が多いですよね。そういう意味では、僕らにプレッシャーもあるんですけど。過去にBACHLOGICがプロデュースしてきたアーティストさんの作品を見ても、カッコイイのは、トラックも歌詞もしっかり入ってきて、そこの融合が他にはないクリエイティビティの高さを提示できている作品が多くて。そういう意味で声や歌詞というところに重心がかかってくるので、少しプレッシャーというか恥ずかしさもあるんですけど。それを乗り越えてたときには、いままで見つけられなかったものが発見できたというか、BL(BACHLOGIC)とやるとそういうのが生まれる瞬間があるんですよね。

――そうなんですね。この『踊れピエロ』の歌詞、メンバーの歌唱、世界観、前後関係、流れ、コントラスト、そういうところのセンスがすごく好きです。「センスいいわぁ」って曲頭から終わりまでずーっと思いました(笑)。ちなみに、さっき、インタビューが始まる前から「ここがイイのよっ! わかります?」って、ずっとその話をメンバーご本人に向かって力説するという(笑)。誰が誰に向かって言っている?状態でした(笑)。

SWAY●嬉しいです。

KAZUKI●ありがたいです。

GS●もう聴き方が変態ですよ(笑)。もちろんいい意味で!

――あはははは(笑)。

(インタビュー=吉田直樹(OUT of MUSIC) 写真=Cosufi(コスフィー) アシスタント=木下江美)

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