ヒップホップアーティストCrazyBoy(三代目 J SOUL BROTHERSのパフォーマーELLY)のデジタルシングル『CHEDDAR』。昨年もw-inds.や岩田剛典とのフィーチャリング曲に参加していた彼が、CrazyBoy名義で音源をリリースするのは実は約2年ぶり。しかも、今作はチェダーチーズをテーマにした楽曲であり、抜群の音楽センスとキュートなキャラクターを併せ持つCrazyBoyにしか作れない、中毒性の高いダンスチューンとなっている。三代目 J SOUL BROTHERSの一員として活動する中で、彼はどのように新曲制作を進めていったのか。時折冗談を交えながら、にこやかに語ってくれた。
とろけさせるような恋愛
――最新デジタルシングル『CHEDDAR』はパワフルな重低音にCrazyBoy節のRAPが絡み合う。チェダーチーズのように、女性に対しとろけさせるような恋愛をテーマにした遊び心あふれる歌詞、Bメロの美しくとろけるような広がり、クセになるサビとドラマティックな展開で中毒性のあるHIPHOPナンバー。久しぶりの音源にワクワクしました。
●ありがとうございます。
――フィーチャリングという形での音源リリースは昨年もありましたが、CrazyBoyとしてデジタルシングルをリリースするのは、2022年のデジタルEP『NEOTOKYO V EP』以来、約2年ぶりとなります。このタイミングで新曲を発表した経緯から教えてください。
●そもそも、なぜ2年ぶりの始動になったかというと、昨年は三代目 J SOUL BROTHERSとして1年間ツアーを回っていまして。その準備期間も含めると1年以上、ソロ活動は一旦置いておいて、グループと向き合うことを優先してきたんです。僕だけじゃなくて、メンバー全員が。とはいえ、昨年開催したドームツアー『三代目 J SOUL BROTHERS PRESENTS “JSB LAND”』では、これまで僕らが発表してきたソロ曲を7人全員で披露するという挑戦もしましたし、今年もソロ活動を積極的に行っていこうとグループ内で決めていたので、じゃあ自分は何をしようかな?と考えて。以前から録り溜めていた楽曲が結構あったので、まずは久しぶりに新曲を発表し、リリースイベントという形で各地のクラブでソロライブを行うことにしました。
――そして発表されたのが、“チェダーチーズを擬人化した”というHIP HOP調のラブソング『CHEDDAR』(Lyrics:CrazyBoy, ZERO(YVES&ADAMS), T-SK, MoonChild, BIG-F/Music: T-SK, MoonChild, BIG-F, ZERO(YVES&ADAMS))です。いくつか録り溜めていたということですが、この曲を録ったのはいつ頃でしょうか。
●仮でレコーディングをしたのは、1年半~1年くらい前ですね。今回音源になったものとは歌詞やメロディーが違うんですが、1番とサビ、Dメロが出来上がった状態のデモをいただいて。好きな曲調だったので試しに録ってみて、そのまましばらく置いてあったんです。
――(吉田編集長)Aメロ(一番)のトラックは、徐々に迫りくるような、少しづつ距離を詰めてくるような、緊張感があるクールなスタイルをイメージさせるトラックです。
●そうですね、それがカッコイイと思っていて、今回新曲を発表するにあたり、ストックしてあった曲をいくつか聴き直した結果、この曲がいいんじゃないかということになりました。
――なぜチェダーチーズをモチーフにした歌詞にしようと思ったんですか?
●最初にこのトラックを聴いた時に、アニメの『トム&ジェリー』っぽいなって思ったんですよ。ネコのトムとネズミのジェリーが、駆け引きをしながら追いかけっこしている光景が浮かんだんです。そこからチーズ(『トム&ジェリー』に出てくるチーズ)に繋がって。トムとジェリーの関係性を恋愛に落とし込んだり、好きな相手の熱で溶けてしまう様子をチーズで喩えることで、今までにない斬新なラブソングができました。
――(吉田編集長)チーズをカッコよく歌えるのは、ELLYくんならではですよね。普通に歌ったらカッコよくなりにくい(笑)。それを遊び心溢れるカッコいい曲にできるのは、ELLYくんのセンスとキャラクターがあってこそだと思う。
●ありがとうございます。僕も正直、歌詞を書く前は、チーズは結構ハードルが高いなと思ったんですよ(笑)。でも、意外とカッコよくなりましたね。三代目での僕のメンバーカラーも黄色ですし、いろいろと相性がよかったみたいです。
――デモの段階で1番とサビ、Dメロが出来ていたということですが、リリースするにあたって手を加えた部分というと?
●仮でレコーディングしてから結構間が空いていましたし、もっとキャッチーで僕らしい曲にしたかったので、サビは変えましたね。仮歌のサビはもっとメロディアスで、それはそれで良かったんですけど、もっと良い表現がある気がして。
――もっと自分らしい曲にしたいと思ったのは、“JSB LAND”ツアーを経験したからですか?
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