

変幻自在、多彩な音楽性、7人組ダンス&ボーカルグループBALLISTIK BOYZ。約2年ぶりのオリジナルアルバム『Back & Forth』。同作を制作するにあたり、「自分達が次にどういう曲を届けるのがいいのか」をメンバーで話し合ったという。グループの自我、音楽、エンタテインメント、それらをメンバー同士、改めて共有し、その音楽像を鮮やかに描き出した作品だ。「BALLISTIK BOYZの曲を、たくさんの方に聴いてもらいたい」というメンバー想いが込められた『Back & Forth』について、その過程を赤裸々に、魅力を熱く語ってもらった、ロングインタビュー。

メンバー作詞の失恋ソング『In My Head』
――BALLISTIK BOYZは、2022年8月末から2023年2月までの半年間、タイを拠点にして活動されていて、「OUT of MUSIC」にはかなり久しぶりの登場となります。アルバムリリース自体、2021年11月24日リリースの2ndアルバム『PASS THE MIC』以来となりますが、今作『Back & Forth』のリード曲でメンバー作詞の失恋ソング『In My Head』(Words: Miku Fukahori, Ricky, Riki Matsui/Music: Adam Wolf, FERNSTREAM/Track produced by FERNSTREAM)を作り始めたのはいつ頃でしょうか。
砂田将宏●今回のアルバムには、2022年、タイに発つ前にリリースした『ラストダンスに BYE BYE』以降の楽曲が収録されているのですが、新曲制作に向けて動き始めたのは去年の秋ですね。
――最初からリード曲を作る予定だったんですか?
砂田将宏●今アルバムの新録曲は3曲あるのですが(『God Mode』『N.E.X.T.』『In My Head』)、うち2曲は先に制作が終わっていました。リード曲をどういう内容の曲にするか、どういうトラックがいいかをみんなで話し合って、それをもとにデモを探し始めたのが、2023年の9~10月頃でした。
日髙竜太●実をいうと、最初は全然話がまとまらなかったんです。最初に手元に集まったデモと、自分達の理想が一致せず、そもそも自分達の中でもイメージが固まりきっていなくて、上手く話が進まなかったんです。だから、改めて「自分達が次にどういう曲を届けるのがいいのか」をみんなで話し合って。シンプルに言うと“良い曲”にしようという話になりました。バラード風だったり、既存曲で言うと『Animal』のような、勢いだけではないBALLISTIK BOYZを見せられる曲を作って、たくさんの方に聴いてもらいたいね、と。そこからまた一からデモを集め直していただいて、その中で一番僕らの理想に近くて、イメージが湧いたのが『In My Head』のデモでした。
加納嘉将●それをHIROさんやスタッフさんにも共有したところ、みなさんも「いいね」と賛同してくださって、正式にこの曲をリードにすることにしました。
――歌詞は未来さんと力也さんと利樹さんが担当していますが、なぜこの3人で作詞することに?
松井利樹●僕らは結成当初から、趣味半分で作詞・作曲をしていたんですよね。どこかで発表するわけでもなく。その後、ラップ担当の僕と力也と流星は『Chasin’』や『HIGHWAY』(2ndアルバム『PASS THE MIC』収録)で作詞や作曲を経験させていただきました。そういった流れもあり、今回のアルバムでは『Lonely』や『N.E.X.T.』、『In My Head』を未来・力也と一緒にで制作させていただくことになりました。『In My Head』に関しては、誰がどこのリリックを担当するかは、曲を聴いてなんとなく決めました。未来はボーカルなのでボーカルパートを作詞してるんですけど、ラップは「じゃあ、ここは俺が行くわ」という感じで、結構ラフに決めていて。1番のラップパートを力也が、2番は僕が書きました。
深堀未来●基本的にいつもそうなんですけど、今回もサビがボーカルだったので、サビを僕が先に書いて。その上で、各々がメロを考えるという流れでしたね。
――『In My Head』というタイトル通り、頭から離れないほど忘れられない恋愛への後悔を歌った楽曲ですが、そういうストーリーにしようと思ったのはなぜでしょうか。
深堀未来●最初に7人でデモを聴いた時に、「ギターが映えるアコースティックな楽曲だから、サウンド的に失恋ソングが似合うね」という話になったんです。何度もリフレインする<In My Head>というフレーズは入れたいと思いました。
奥田力也●僕が作詞した1番の冒頭には、自分のグループに対する想いも投影していますね。僕はデビュー前から作詞・作曲をしてきて、グループの楽曲もいつか手掛けたいなと思っていました。グループに貢献できることがあるといいなと思いながら作っていたので、オフィシャルとしてグループの楽曲を作詞・作曲できるようになったことが、すごく嬉しかったんです。だから、その中で感じたことやBALLY’S(ファン)への想いを『In My Head』のラップパートに詰め込みました。
――近年、BALLISTIK BOYZは海外と日本を行き来しながら活動していますし、先ほども「『Animal』のような、勢いだけではないBALLISTIK BOYZを見せられる曲を作って、たくさんの方に聴いてもらいたかった」とおっしゃっていましたが、意外にも『In My Head』は日本語が多く使われているように思いました。とはいえ、<愛してる>といったストレートな表現は日本語が得意ではない方にも伝わると思いますし、両者への思いやりを感じます。
奥田力也●そうですね。アルバム収録楽曲の中でも『Drop Dead feat. TRINITY』や『All I Ever Wanted feat. GULF KANAWUT』のように、海外アーティストとフィーチャリングする楽曲では全編英詞(一部はタイ語)で歌っていますし、今後もそういった楽曲は増えていくと思うのですが、日本に帰ってきて久しぶりにアルバムリリースすることを考えると、まずは日本語で今の気持ちを伝えたいなと思ったんです。でも、日本語と英語を使い分けて表現することも、BALLISTK BOYZの強みの1つだと思うので、日本国内のファンの方はもちろんですが、海外の方々にも響く楽曲を目指して制作しました。
――ではそれぞれ、『In My Head』で力を入れているフレーズと、レコーディングでこだわったことを教えてください。
海沼流星●僕は1番で力也の後のラップパートを担当しているんですが、そこは思い出に浸っているような感じの内容なので、ゆったり柔らかく、聴き手に語り掛けるように歌いましたね。
――デビュー当時、バイブス担当として曲の冒頭から派手に切り込んでいた流星さんが、アルバムリード曲でこんなにしっとりとした表情を見せる日が来るとは……。
海沼流星●あははは。当時はやんちゃで強気なBALLISTIK BOYZが求められていましたし、僕らも、それが今の自分達に一番似合っていると思っていました。ただ、もっと幅広い音楽をやりたいという気持ちは元々ありましたし、今回のような一面も初めから持ち合わせていたと思います。僕達自身は、いつかこういうラブソングをリードで歌う日が来るんだろうな、と思っていました。
――ということは、デモを選ぶ中で「勢いだけじゃないBALLISTIK BOYZを見せられる曲を」という想いが湧いたんじゃなくて、アルバムを作り始める前から、パブリックイメージを変えたい気持ちがあった?
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