【特集ハイライト】<imase><バックカバー特集> 新世代アーティストimase 1st Album『凡才』インタビュー OUT of MUSIC 85 バックカバー・巻末掲載

新世代アーティストimase

2020年にギターを購入し、翌年に作曲をはじめ自作の楽曲がTikTokで大バズりしたことから、大型新人としてメジャーシーンに足を踏み入れた、鮮烈のデビューから約3年、彼は多くのCMソングやドラマ・映画の主題歌を手掛け、imaseの曲を耳にしない日はないほど、令和の音楽シーンに欠かせない存在となっている。そんな彼の待望の作品、1st Album『凡才』。今作には、“凡才ならではの戦い方”を探りながら配信してきた楽曲の数々が収録されているという。実家の2段ベッドの下で独りで作り出したというベッドルームミュージックから、世界で愛されているダンスミュージックまで、全19曲を詰め込んだアルバム『凡才』を通して、imaseの音楽人生を紐解いていく。

凡才なりの戦い方

――1st Aibum『凡才』は、2021年にTikTokを通して“期待の大型新人imase”の存在を世に知らしめたデビュー曲『Have a nice day』をはじめ、『第65回輝く!⽇本レコード⼤賞』で優秀作品賞を受賞し、韓国を中心にアジアでも大ヒットした『NIGHT DANCER』、現在も続々と解禁されている話題の新曲など、imaseさんの音楽をフルボリュームで堪能できる1枚になっています。まず、アルバムのタイトル曲でもある『BONSAI』ですが、こちらはどんな楽曲を目指して作り始めましたか?

●アルバム自体がそうであるように、これまでの自分を振り返ろうと思っていましたね。というのも、普段の楽曲では、自分の実体験を歌詞に書くことがあまりないので。この機会に自分がやってきたことを形にしてみようと思いました。自分がどういう場所で育ったかとか、どういう環境で楽曲を作ってきたかというのを、具体的なワードも交えながら書きました。この曲ではあえて原点回帰しようと思い、初期のimaseを感じることができるような打ち込みだったり、音の雰囲気を意識して制作しました。2023年に上京してきてからは、制作環境も多少変わったのですが、自宅のワンルームで歌っている感じを出したくて。mixとかも完成されすぎた音にならないように、あえて粗削りな仕上がりにしました。

――「BONSAI」と、アルバムタイトルの『凡才』はどちらが先に決まったんですか?

●「BONSAI」の方です。結構早い段階で……歌詞の方向性が見えてきたあたりで、タイトルを「BONSAI」にしようと思いました。

――タイアップ曲揃い、人気曲揃いの収録曲を見ると、“天才”だなって思ってしまうんですけど。どんなに持て囃されても、ご自分を“凡才”と呼ぶところに、imaseさんの堅実な性格が表れているなと感じます。調子に乗ってないところが素敵だなって(笑)。

●あははは。曲作りを始める前から歌うことは好きでしたけど、僕はもともとキーボードが上手に弾けたわけでも、ギターが上手かったわけでも、歌が上手かったわけでもないですからね。どうやったらたくさんの方に自分の曲を聴いてもらえるかな?と考えて。凡才なりの戦い方を見つけて自分なりに制作してきたものが、今回収録した楽曲達なので、アルバムタイトルにも『凡才』と付けさせていただきました。

「BONSAI」

――今作の収録曲には、HANO+7Mさん・久保⽥真悟(Jazzinʼpark)さん・ESME MORIさん・mabanuaさんがアレンジャーとして参加していますが、「BONSAI」はどなたがアレンジされたんですか?

●デビュー曲「Hava a nice day」から、多くの楽曲でアレンジしてくださっているHANO+7Mというチームの廣澤優也さんです。今回は原点回帰がテーマだから、廣澤さんにお願いするのがベストかなと思いました。

――付き合いが長いぶん、お互いに言いたいことを言いやすい環境なのかなと。

●そうですね。しかも、ドラムの感じとか音色は、自分でラフアレンジ(デモ)を作った時点でハッキリしていたので、曲のイメージが共有しやすくて。多少コードを変えてもらったり、いくつかリファレンス(曲作りの参考にするための音源)を渡して、「この音の雰囲気に近づけてください」ってお願いした部分はあるんですけど、割とスムーズに制作できました。

――「BONSAI」は、ミラーボールがキラキラしてそうな、70年代ディスコ・ソウル感のリズムとサウンドを取り入れたトラックに、imaseさんの音楽の原風景や、音楽から未来を見ていたという情景が歌われています。トラックや歌詞では原点回帰している一方で、「BONSAI」を歌う声はいつものアンニュイな歌声とは違いますよね。imaseさんの持ち味であるファルセットも、抜け感のあるファルセットじゃなくて、芯の強さを感じるファルセットでしたし、聴いていて新鮮でした。

●うれしいです。曲調的には初期imaseなんですけど、ボーカルテクニックでは進化したimaseを見せられているのではと思っています。地声を張っているところも新鮮に聴こえると思いますし、ファルセットのキーが上がった部分とか、Aメロ頭のラップ調の歌い回しなども、テクニカルな表現になっています。そんな「BONSAI」をアルバムの1曲目に置いて、最初にリリースした「Have a nice day」を最後の19曲目に収録しているのも、“初期にやっていた音楽を最新の自分で歌った楽曲(「BONSAI」)”と“音楽を始めたばかりの自分が作り、歌った楽曲(「Have a nice day」)”の対比を感じてもらえたら、という狙いがあります。

――「Have a nice day」は、ブレイクビーツと鍵盤のコード弾きのリズムを基調に、胸がキュンとするようなメロとサウンドを差し挟んで、広がりやドラマや光りを次々と感じさせてくれるようなトラック。共感あふれるファルセットのボーカルが印象的な楽曲です。最初に「Have a nice day」がTikTokで公開されたのは、imaseさんがDTMで曲作りを始めて間もない2021年5月のことでした。今、この楽曲を聴きながらどんなことを感じますか?

●おっしゃっていただいたように、「Have a nice day」は曲作りを始めて間もない頃に発表した曲なので、今振り返ると拙いなって思う部分もありますね。でも、コロナ禍で外出が難しい中、岐阜の実家で作っていたこととか、いろんな背景があったからこそ生まれた楽曲なので、当時の自分にしか作れなかった楽曲だなと思うと、感慨深いものがあります。

――『Have a nice day』から『BONSAI』までの間に、imaseさんは“凡才なりの戦い方”を見出していくわけですが、それを見つけた瞬間、きっかけは何かあったのでしょうか?

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※ンタビュー=斉藤碧 写真=Cosufi(コスフィー) アシスタント=大鐘優希

撮影協力(花、セレクト)=有限会社 四季フラワー

この記事の続き、撮り下ろし写真は(バックカバー巻末11ページ特集!)『OUT of MUSIC 85』に掲載中です。ご購入ご希望の方は、下記画像リンクからお求めください(また全国書店、CDショップ、ネットショップでのお取り寄せも可能です)。

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