
イマジネーション溢れる楽曲
――さきほど「蜘蛛の糸」の「和」のサウンドについて、壱馬さんが「特長」でもあり「難しさ」でもあると言ってましたが、ホントにそうで、太鼓や尺八、三味線のサウンドとHIPHOPとの相性を考えると、精神性みたいな部分ではすごく繋がるとは思いますけど、具体的なサウンドをまとめるのって、簡単ではないと思います。
陣●DRUM TAOさんとは「Summer Riot 〜熱帯夜〜」で一回コラボさせていただいているというのもありますけど、それでさらに僕らのことを知ってくださっていることで、より先のサウンドを目指せたというか、到達できたのかと思います。「初めまして」でいきなりレコーディングとなると、なかなかここまでうまくコラボできないと思います。もちろん、楽曲制作のT.Kuraさん、JUNEさんとは、これまでお世話になっているので、心強かったですけど。
――なるほど。ただ、「Summer Riot 〜熱帯夜〜」と「蜘蛛の糸」だと楽曲のアプローチが違うというか、「Summer Riot 〜熱帯夜〜」はラテン、スパニッシュテイストのサウンドに乗せて、メロディアスで美しいボーカルが、夏の一夜の情景をセクシーに歌い上げている曲です。和太鼓が入っていますが、全体の世界観としては「洋」というか…。
陣●確かに、その点は「ちょっとどうなるのかな?」と思いましたね。「Summer Riot 〜熱帯夜〜」と違う形でDRUM TAOさんとコラボとなったとき「どうなるんやろ?」 と思いました。でも、やってみてすごくマッチしましたし、制作現場では、すごく頼もしかったです。
――そうだったんですね。みなさんのお話を聴いて、この「蜘蛛の糸」の楽曲としての到達点の高さを、改めて感じましたし、この曲でみなさんが感じた「確かさ」も、聴き手に伝わるんだなぁっで思いました。
山本彰吾●そういう「確かさ」は常に共有できていたと思います。例えば、ダンス的に言うと「蜘蛛の糸」は見えやすいと思いました。
――と言いますと?
山本彰吾●初めて曲を聴いたとき、その楽曲のMVをイメージできる、イメージしやすい曲ってあると思うんです。聴いた瞬間にパッと浮かぶイメージって大事なんですよね。曲を聴いて「(この曲の)MVを観たいな」って思ったんですけど、そういう意味で、最初から(ダンスの完成形が)すごく見えましたし、見やすかった。もちろん、具体的には、そのイメージを高めてダンスに落とし込んで、みんなの想像を超えるような、先を行くようなものにしなきゃいけないんですけど、起点にある最初の感触、気持ちを大切にしたいと思っていますね。
――なるほど。
山本彰吾●曲を聴いて(自分が)ライブでのパフォーマンスをイメージできるかどうか、それがポイントだなと思ってました。逆に言うと曲が良くても「これ、パフォーマンスどうする?」って感じると、その迷いが後々までずっといるんですよね。でも、この曲を聴いたときは「ある意味、シカト(無視)できるな」って思ったんです、周囲の環境というか、どんなライブ会場なのか、どんなセットなのか、そういうことを気にしないで、イメージが沸くというか。自分たちだけの存在そのものだけ、それを軸にしていれば、どうにでもできるという自信というか…。例えば、照明も真ん中に落としたピンスポの中で、僕らがずっと踊っているというのがカッコイイと思えるくらい
川村壱馬●うんうん(大きく頷きながら)
山本彰吾●今、話をしていても、イメージがわーっと出てくるくらい、曲を聴いてインスピレーションをもらってアイデアが出るってありがたいですし、この曲はまさにそういう曲です。
――パフォーマーのみなさんが、どうやって楽曲そのものや、曲から得た感動を身体で表見するのか、その深い部分を知れるお話で、すごく興味深かったです。たとえばネットに上がっている彰吾さんのダンス解説動画を見たんですけど「タン タン タン タン」っていう、なんてことない1小節のダンスを、ものすごい情報量で説明してるんですよね。すべての動きにきちんと感情や思い、意味があって「うわ、スゴっ!」って思いましたよ。すごく深いところからダンスを表現しているというのがカッコイイ。歌もそうですけど、自分の深いところから出た衝動、感情のようなものが身体を動かしている。
山本彰吾●めっちゃ、見てくれてますね(笑)。
――(笑)。そう、それで、LIKIYAさんはどうなんだろう? とネット検索したら 「ゆったり、大きい振り付けも特徴」みたいなLIKIYAさんに対する解説コメントがヒットして「なるほど、確かに」と思って。じゃあ陣さんは?って、「陣」て検索ワードを入れたら、途端に予測変換が「陣 酒」「陣 バラエティ」とか出てきちゃった(笑)。「酒じゃん!」「ダンス出てこない!」って、思わずPCに向かって突っ込んだわ(笑)
全員●あははははは(爆笑)。
陣●そういう部分も含めて自分ですので(笑)。
――では、陣さんは「蜘蛛の糸」のダンスについてはいかがですか?
陣●僕はMV(ミュージックビデオ)のサビが好きですね。全員で蜘蛛の集団が、グーンて行進していく感じというか、蜘蛛感がめっちゃ出るんですよね。あれ多分、メンバー16人だからちょうどいいというか。
――足の数はぴったり蜘蛛2匹分ですね。
陣●勢いがあるし、見てるこっちが「うわぁぁ」って感じるような怖さがありますよね。それくらい僕らが発信して、「怖い」や「凄い」というようなインパクトを感じてもらえたらいいなと思いますし、心に残るようなインパクトを与えたという思いでやってます。とにかく「蜘蛛の糸」サビは、歌とダンスとも、気持がザワザワしますよね、いい意味で。
LIKIYA●あと、イントロのつかみのところとかも…。
川村壱馬●あー、いいですーねー(同意)。
山本彰吾●モノクロから始まる部分。
LIKIYA●もう、最初から引き付けられる感じがしますし「見たい」と思わせたら勝ちですよね。そこがポイントかなと思います。
川村壱馬●この一曲でTHE RAMPAGEのカッコよさが伝わるというか、メンバー16人いるTHE RAMPAGEってどんなグループなんだ、何をやりたいんだ、何を伝えたんだ、どんなキャラクターなんだ、ということが、この一曲でわかる、伝わると思いましたね。
――それ、すごくわかる気がします。資料詳しく読むまで「蜘蛛の糸」がアルバムリード曲だと思ってましたから(笑)。もちろんリード曲「BURN」もアルバムリードとしてカッコイイですし、そう思ってますよ(必死)。
全員●あはははは(笑)。
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